医療崩壊が危ぶまれる日本医療の問題の本質とは


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新型コロナの感染者数に一喜一憂する報道が目立ちますが、
気になるのは、
①(検査による)陽性率の上昇
②自宅療養者数
③入院療養等調整中の人数
の増加です。


東京都の新型コロナウィルス感染症対策ホームページを見ると、
モニタリング項目(4) 検査の陽性率 14.1 %
(2021年1月11日 の数値。7日間移動平均値をもとに算出)
グラフ上の推移も昨年末あたりから上昇傾向が出始め、
それまで10%未満だったのが、15%近くの水準となっています。

2021年1月14日20時現在では、
確保病床数4,000床に体して、入院数も3,133人となっており、
78.3%の占有率となっていますが、この数値自体も、
実際に稼働させられる病床数なのか疑わしい面もありますし、
特に、自宅療養者8837人や宿泊療養者908人で、
半ば無理に病床占有率を意図的に抑え、
満床を回避しているようにも思われますので、
深刻度合いが高まっているように思います。



感染力の非常に強い変異種が表れたりしている中とは言え、
前回の緊急事態宣言よりも世間の緊張感は乏しいというのが
渋谷などの繁華街の人出にも、
前回の宣言時ほど減少していないという点でも、
今後の先行きに懸念が高まります。



重篤化しないのであれば、
インフルエンザと大して変わらん、感染したら運が悪かっただけ、
そんな割り切りが半ば醸成されてしまっているのかもしれません。


ただ、感染者数が欧米各国ほど多くないにもかかわらず、
早々と医療崩壊が危ぶまれる日本の医療。


この原因につき、納得感の高い説明をしてくれているものが少ないのですが、
比較的適切な指摘をしていると思われる内容が以下。

簡単にまとめると、

●日本の病院数は約8000とG7諸国のなかで最も多い。
 ↑中小の開業医が多すぎて、適切な医師配分がなされていないのではないだろうか。

●しかし、日本の1病床当たり医師数は、米国の5分の1、独仏の3分の1。
 ↑病床に対しての日本の医師配分の不足を表していると思われる。

●しかも、看護師も同じ傾向にある。
 ↑肉体労働面を踏まえると医師に比べ待遇格差が大きく、なり手が少ないとも考えられる。

●日本では大病院の勤務医が恒常的に不足している問題がある。
 ↑医師不足の本質は、絶対数不足が大きく、次いで偏在があると考えられる。

●残業時間が長いなどの労働環境の悪さに加え、開業医に比べて収入が低いという事情が災いしているから。
 ↑医師数を増加させ競争を生じさせること、勤務医数を増加させる政策を実施しない限り、
  偏在は解消されず、勤務医の待遇改善が進まないとも考えられる。


↑は遊馬の私見を記載しているが、
日経メディカルが2014年に医師を対象に実施したアンケートによると、
65%以上が「医学部を新設すべきでない」と回答。


さらには、「千葉県成田市の医学部新設の話が浮上したときには、
日本医師会、日本医学会、国立大学医学部長会議なども反対声明を支持した」とあり、
どうやら、医療崩壊の根源的な原因には、医師数を大幅に増加させることにつながる医学部新設に対する
既得権益の維持意識が邪魔したのではないかという疑念さえ向けたくなる。






地方医療現場の課題である「医師不足」を解消するため、
全国の自治体では「 地域枠入学試験」制度を設けており、
これは平成20年当たりから開始しているが、効果を生んでいるとは正直言いがたい。


また、厚生労働省では、この地域医療維持のため、
地域枠で入学し臨床研修中に従事要件があるにもかかわらず、
当該府県での研修を行わずに他地域の病院で現在研修している、


いわゆる「地域枠義務放棄の研修医」を採用した病院に補助金減額をするなど
対応を強化しているが、そもそも地域枠程度では抜本的な効果を生むわけがないので、
焼け石に水でしかない。




古い話で恐縮であるが、現在においても、通用する指摘と思われるので、紹介したい。

以下からの抜粋。
2004年12月、東京大学医学部附属病院長の永井良三氏のインタビュー記事には、
(詳細は、以下リンク参照)
『日本の医療システムは、どのような構造的問題を抱えているのか』の質問に対し、


永井氏は「まず医師の不足です。
人口1,000人当たりの医師の数は日本が1.8人に対して米国は2.6人です。
絶対数はやや少ないのですが、問題は何より病院診療所の数が極めて多いこと」
と答えている。


また「病院が減れば、アクセスは悪くなりますが、施設当たりの職員は増えます。
それは医療の質の向上に結び付きます。」とも答えている。
(これは人や金などの資源が集約され、医療の質が向上するということ)


永井氏はさらに、「大学病院は高度医療を行っていますが、
ベッド当たりの職員数は国内の民間病院とさほど変わりません。
それを支えているのは職員の過重労働。しかし、ヒラリー・クリントンは
「日本の医療は医療スタッフの自己犠牲によって成立している」と本質を見抜いている」
とも言う(↑これは日米では病院のマンパワーが全く異なるということ。)。


永井氏は「未だに竹槍とB29の違いがある。
同規模の代表的な総合病院を日米で比較したところ、
職員も医師も日本の約3~4倍。
また、ベッド当たりの看護職員の数が病院の機能を決定的に左右するが、
日本の場合、0.5人程度ですが、米国は少なくとも約4倍を投入。
それだけスタッフがいれば、手厚い看護が可能となり、医師も専門的な仕事に専念できます。
しかし、日本ではそれができないため、ベテランの医師も含めて労働基準法を
無視して働かなければならない。それが実情です。


大学病院は、「研究に比重が置かれ、教育、臨床という三つの機能が
しっかりできていない」という批判があります。
しかし国内では最も恵まれている東京大学医学部の内科でも教授は9人、
助教授6人、講師18人、助手83人、合計116人です。
ハーバード大学の病院は教授だけで93人、合計1,480人もいる。
つまり、同じ大学病院についても日米では全く異なるものをつくってきたということ。」
と語っている。



そして、「限られた資源を配分するという観点からして、
医療費の使われ方に問題があるのでは?」という問いに対しては、
永井氏は「日本の医療費はGDPの約7%ちょっとです。
これは世界20位で先進国のうちで、そう高い方ではありません。


では、その多いとは言えない医療費がどう分配されているのか。
医療機関の規模ごとに日本の総医療費に占める割合を見ると、
高度医療を担う特定機能病院には4%少し。
診療所に30%以上配分されている。しかもその割合は固定されています。」
(↑適切な医療費の配分が出来ていない原因となっている。)


続けて永井氏は、「つまり、そのように政治が決めているということでしょう。
そして医療機関は規模が大きいほど赤字になる傾向があります。
診療所は黒字、小さい病院はとんとん、特定機能病院は苦しい。
個人診療所は医業収支率(経費に対する収入)が約150%です。
↑儲けの多さが医師の開業志向の原因にとなり、診療所数の多さにつながっている。


大病院の努力が足りないという面もありますが、構造的な理由もあるのです。
個人診療所はローリスク・ハイリターンであることは否定できません。」
(↑開業医は、保険制度と出来高払いによって高度医療をせずとも、
黒字経営ができるようになっている。そして難しいケースは大学病院に回す。
その結果、大病院はハイリスク・ローリターンとなって収支率がますます悪化する。)


ちなみに、医療制度改革が進まない原因と考えられるのが、
医療政策に影響を与える中央社会保険医療協議会の委員の構成である。
医師会代表の医師は参加しているが、自治体病院や大学病院の医師は出席できない形。
そのため、医師会の政治的発言力が強いことで
開業医に有利な制度になりがちという側面があり。



総合病院にあらゆる診療科をそろえ、多くの科に当直が必要。
さらに、大学病院は診療も教育も研究も行うとなれば、
どうしても人手が足りなくなります。


病院を整理統合し、あるものは高度化、
専門化していくことで効率性を高め、機能分担すべきで、
そうすることで、医療の質も上げることができる。



昨日1月13日17時54分配信で、
NHK 首都圏 NEWS WEBに『都内の3病院を“コロナ専門”に』と出ていたが、
新型コロナウイルスの入院患者が増えて病床がひっ迫するなか、
ようやく東京都は、都立広尾病院など3つの病院で新型コロナの患者を
重点的に受け入れて実質的に専門病院とする方針とのこと。


新型コロナ渦の影響が、
日本の既得権やこれまでの弊害を少しでも是正する端緒と
なった事例のようにも思えてしまうのが非常に皮肉な話である。


元大阪府知事の橋下徹氏は、プレジデントオンラインで、
「問題は、分散している医療資源を適切な形で再配置できないこと。
特措法改正で抜け落ちているのは、医療現場への強制の話。
特措法を利用し、コロナ対応していない医療従事者にコロナ対応を」
と主張する。特措法改正による強制措置で権力行使を行えということのようだ。
もちろん「医療従事者へのサポートや看護師さんの負担軽減に努めるべきだ」とも主張している。


地域枠で入学した医学生の医師不足地域に定着することを夢見るくらいなら
新型コロナ渦を、今後の大きな医療制度改革の端緒に是非してもらいたい。


でも、今の厚生労働族の議員さんに期待できそうにないところが、
日本の先行きに暗さを感じさせてしまうのであるが。


橋本徹氏の主張する特措法利用でしか、もはや医療体制を変えられないのでは、
日本の政治・社会情勢は非常に危ういままとなってしまう





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by asmars | 2021-01-14 06:00 | 時事ネタ雑感

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